2012.10.27 周南市文化会館



『WHITE』『SONG BOOK』と、不作の続いていたアンジェラ・アキのアルバム。
しかし、7月に発売された新アルバム『BLUE』はかなりの完成度と満足感を
与えてくれた素晴らしい1枚だった。
そんな『BLUE』を引っ提げての全国ツアーがいよいよ始まり、
ANSWERツアー以来3年ぶりに俺の生まれ故郷にして現在生息中の
山口県にもアンジーが訪れてくれた。

バンドメンバーとアンジーがステージに登場し、満を持してライブは開演。
オープニングは『BLUE』の頭でもある『アイウエオ』だった。

続いて2曲目は『factory』。
西川氏が不在の中、代わりにアンジー自身がエレキギターを握って熱唱する。

今回のツアーのバンドメンバーはまーくん、おっきー、河野さんの三人。
西川氏のギターを生で聴きたかっただけに少し残念。
武道館では彼がともに演奏してくれることを願ってます。

以前からブログやラジオでアンジーが触れ回っているとおり、
周南公演の盛り上がりは半端なく、今回も序盤から多くの声援が飛び交っていた。
ところで、開演前から「アンジー!!」と叫んでいた二人組の男性、
LIFEツアーの福岡公演と広島公演でもお見かけしたんだけど、
もしかして近所にお住まいなのかしら?(笑)

この日アンジーは会場の盛り上がりに圧倒されたらしく、
しきりに「私の前世、絶対周南市出身だわ」と漏らしていた。
でも周南市民はあなたほど喋り上手くないと思うよ(笑)

MC明けてからの3曲目は『始まりのバラード』。
好きな曲だがアンジーがまだ本調子ではなく、ちょっと残念。

4曲目は『恋の駆け引き』。
コーラスはまーくんとおっきーが担当する。

5曲目は『One Family』。
1番のサビから入るという形で、インパクトのあるサビだけに心を引き込まれる掴みだった。
伴奏は宇宙の渚バージョンにおっきーのベースが入る形。

続いてはツアーでは恒例となった英語でしゃべらナイトのコーナーである。
曲は『Stand by me』。
ギリギリ知っている曲なので、とりあえず他人事スタイルは避けられました(笑)
この曲のポイントは二つあるとのこと。
一つは“非常に少ないコードで演奏されている”というところ。
コードの少ない曲は他にどんなものがあるかという例として、
ユーミンの『ルージュの伝言』とビートルズのなんとかっていう曲(笑)が歌われる。
もう一つは“サビの頭でダーリンを繰り返す”というところ。
その例としてはミスチルの『しるし』と、予想どおり矢井田瞳の『My Sweet Darlin'』が歌われた。
他には歌いだしが否定から始まっているということで、
その繋がりから美川憲一の『さそり座の女』を披露。
相変わらずバラエティに富んだコーナーだった。

しゃべらナイト明けての7曲目は『たしかに』。
いい加減飽きた選曲。他のアップテンポな曲を聴かせてほしいところだ。
曲の中でアンジーと河野氏のピアノ対決が披露される。
これはアンジーの絶対音感を試す対決で、河野氏が適当に弾いた音をアンジーが耳コピし、
正確に再現するというもの。
序盤は三音だけという簡単なものだったが、徐々に複雑になり、
アンジーがワンモアを要求することも。
最終的には難しすぎてアンジーが根を上げ、対決は河野氏の勝利となった。

ここでステージは模様替え。
ソファや鉢植えなんかを置いてアンジーのリビングを再現する。

8曲目は『I Have a Dream』。
アンジーがアコギを握り、代わりにまーくんがピアノを弾くという新しい形での演奏となった。
また、曲の終盤“声に出して 名前を呼んで 思い出して”を繰り返すところでは、
アコギからドラムを叩きながらの歌唱に変わり、観客たちを大いに湧かせた。
この辺りからアンジーの歌にも調子が出てくる。

9曲目はアルバム表題曲の『BLUE』。
こちらもアコーディオンを弾きながらと、
今回のライブではピアノ以外の楽器での演奏が目立った。

10曲目『心の天気予報』に続き、11曲目はアルバムの中でも異彩を放つ『モンスター』。
この2曲は村石氏のドラム演奏を間近で見ることができ(それこそ2メートル手前くらい)、
アンジーそっちのけでじっくりと堪能しました(笑)

12曲目は『津軽海峡・冬景色』。
個人的にどうでもいい選曲だったんだけど、まあ河野氏がいるからやっぱやるよね。
歌の前に、竜飛岬の石碑に津軽海峡・冬景色の歌詞が掘られているという話に触れる。
それでぜひとも山口のテーマソングをつくりたいというのだが、
その題材が徳山動物園の“のんたくん(レッサーパンダ)”ってどういうこっちゃ(笑)

13曲目はアルバムの中でも1、2を争うほどの良曲『夜明け前の祈り』だった。
ピアノは河野氏が担当し、アンジーはスタンディング(正確には椅子に座ってるんだけど)で歌う。
ピアノ演奏に意識を持っていかなくていいせいか、
歌声はこの日一番伸びやかな上に丁寧で、聴いていてとても気持ちがよかったし、感動した。
しかし、非常に残念なことに2番カット。
どうしてこうもったいないことをするかな〜。

14曲目はアンジーの代表曲の一つである『Rain』。
好きな曲なんだけど、武道館ライブで演奏するのが決まっているだけに
別に今回のツアーではやる必要がなかったんじゃないかと疑問を持った。
それにいい加減ピアノ弾き語りバージョンは飽きました。
TODAYツアーのホップなRainが恋しい。

ここから3曲が今回のツアーの胆である。

15曲目は、泣くことは次へのステップに繋がると歌った『Cry』。
山根氏のコーラスがないので少し物足りなさを感じたけど、
心に響く1曲だった。

16曲目は『Foolish Love』。
BLUEの中では一番好きな曲なので、生で聴けるのをすごく楽しみにしていたのたが、
期待を裏切らない素晴らしい演奏に満足である。

17曲目は、おそらく未だに彼女の楽曲の中で最も高い人気を誇っているであろう『サクラ色』。

そして本編の締めは『告白』だ。
“好きになってもいいですか 恋してもいいですか 手を繋いでもいいですか”
などのフレーズをみんなで合唱。
もちろんいつものように男女に分かれての歌声比べもやりました。
いつもなら女子のほうが圧倒的なのだが、今回は意外にも男子のほうが迫力ある歌声だった。
これにはアンジーもびっくり。

ここでアンジーたちは一旦退場し、観客は手拍子で再登場を待つ。
それにプラスしてたしかにの“ララララーラ”を歌う観客も多く、
周南公演ならではの盛り上がりを見せる。

アンジーが単独で再登場すると、ここでいつものグッズ紹介コーナー。
いつもはまったくのスルーなのだが、今回はパーカーがかなり気に入ったので
終わってすぐに買いに行きました。
高かったけど後悔は微塵もなし。普段着としても使えます。

アンコール1曲目は『手紙〜拝啓十五の君へ〜』。
感想? 特にありません(笑)

そしてライブの締めくくりを彩るのは、初期の人気曲である『This Love』。
アンジーの楽曲の中では3本の指に入るほど好きな曲だが、
やはりBLUEツアーのラストを飾る曲としては違和感があった。
しかし、バンドバージョンということもあって演奏は
かなり素晴らしかったので、まあよしとしよう。


■総評

違和感のある選曲もいくつかあったが、全体的には非常に満足のいくライブだった。
特に終盤の失恋ソング3連打は心に来るものがあり、
思わず涙を流してしまいそうになった。
会場によっては『BLUE』が『You and I』だったり、
『モンスター』が『In My Blood』だったりするようなので、
残りの3か所ではそちらの曲も聴けることを期待している。



■セットリスト

1. アイウエオ
2 .factory
3. 始まりのバラード
4. 恋の駆け引き
5. One Family
6. 英語でしゃべらナイト〜Stand by me
7. たしかに
8. I Have a Dream
9. BLUE
10. 心の天気予報
11. モンスター
12. 津軽海峡・冬景色
13. 夜明け前の祈り
14. Rain
15. Cry
16. Foolish Love
17. サクラ色
18. 告白

・アンコール
19. 手紙〜拝啓十五の君へ〜
20. This Love