2009/5/28 山口県周南市文化会館



 TODAYツアーでNo.1オーディエンスの称号を得た(まあ、どこの会場でも同じようなこと言ってるのかもしれませんが・笑)山口ですが、今回もまたその称号に恥じない盛り上がりでした。大阪城ホール、武道館、と大きな会場でのライヴを立て続けに観てきましたが、その二会場でのライヴについて「あれって本当に盛り上がっていたの?」と疑問を抱いてしまうくらいの勢いでした。なんというか、爆発的なんですよ。だからといってミーハーなわけではなく、抑えるべきところではしっかり抑えられている辺り、やはり山口は違うなと感じました(若干俺の地元ヒイキも入ってますが・笑)


 会場に到着したときにはすでに開場となっていたのですが、俺は中には入らず建物の裏のほうへ……。目的はこれです↓





 車の進入は禁止だけど人の進入(侵入)は禁止されていないようだったので、結構近くまで行ってみました。そこの車が邪魔でいい感じに撮れない……


 これまでのライヴは三回とも十分オーバーくらいで始まったものの、今日は時間ぴったりに場内暗転。どこからともなく流れ出した「Black Glasses」のイントロ、そしてアンジー登場!
 残念ながら「Black Glasses」はオープニングを飾る、いわば登場曲みたいな位置でしたが、間髪容れずに切り替わった「たしかに」の気合いの入れようが半端なかったように思います。
 この曲は毎度「ラララ」を全員で合唱するわけですが…今回はこのまま歌いきるのかな、と思っていたら、そんなことはなかったです(笑) 後ろの人に押されて俺も思わず大きな声で歌ってしまった(笑)

 さて、ここでいつもの注意事項を交えたMCですが、失礼ながら長々とトークするアンジーそっちのけで俺は後ろの沖山さん(ベース)をじっと見ていました。あ、あれ? なんか若返った? という違和感を登場したときから抱いていたからです。若返ったというか、髪の毛のボリュームが上がったというか……なるほど、ヅラですね(笑)

 沖山さんの頭はさておき(笑)、最初のトークでアンジーはTODAYツアーで山口に来たときのことを話しました。冒頭に書きましたが、そのツアーで山口がNo.1オーディエンスだったこと、初めて行く場所で不安だったけどみんな盛り上がってくれて嬉しかったことなどなど。そして今回もまた相変わらずというか、前以上の盛り上がりで本当に嬉しい、と。

 いつもより少しだけ短いMCを終え、二曲目は「Knockin' On Heaven's Door」。アルバムレビューではボロクソ書きましたが、今夜のこれは切実な感じがしてよかったです(歌詞に目をつぶればの話)。村石さんと沖山さんのコーラスもなかなかでした。

 三曲目はシングルカップリング曲の中で一番好きな「Final Destination」。この曲はやはり弾き語りではなくバンドで演奏したほうが映えますね。

 四曲目は「HOME」。バンドバージョンをライヴで聴くのは初めてで、切実でぐっとくる“弾き語りバージョン”とは違い、こちらはどことなく“懐かしさ”を感じました。

 さて、続いてはもちろん“あの”コーナーです(笑) 正直なところ、このコーナーに関しては「なくていいだろ」と思っていたのですが、会場の熱気が凄まじかったので、まあ今日はこの熱気を引っ張っていってもいいのではないかと。
 曲はビートルズの「Hey Jude」。辛うじて知っている曲だったので一緒に楽しめましたが、知らない曲だったらやっぱり冷めてたかな〜。
 大阪城ホール、武道館のときと違って周りの盛り上がりがすごかったので、控えめな俺も入りやすかったです。音痴披露してご迷惑をおかけしました(笑)

「Hey Jude」の盛り上がりを引き継いだまま六曲目は「Again」。今夜のライヴでは数少ない二番カット。どうせなら『Music』か『On&On』がよかったな。

七曲目『黄昏』では、沖山さんがあの幻想的なストリングスの音を再現。アンジーの声も絶好調で、場内は圧倒されているようでした。

 続いては八曲目『レクイエム』。四十人で収録したという壮大なこの曲を、三人でいったいどのように再現するのだろうか、と不安にも似た気持ちを抱いていたのですが、四十人のCD音源よりも迫力のあるパフォーマンスでした。
 欲を言うならソングブックに書いてある英語(?)のフレーズをアンジー本人に歌ってほしかったです。それと一部カットされていたのが残念。

 九曲目は弾き語りでしっとりとした『Rain』。武道館でのライティングがあまりにも素晴らしかったので、演出に少しだけ物足りなさを感じました。

 そして十曲目は、ライヴで最も楽しみにしていた『ダリア』の弾き語り。その前にこの曲について説明するアンジーですが、『ダリア』に関しては曲の説明は不要だと思います。なぜなら聴けばすべてが分かるからです。状況も、伝えたいことも、話の流れも、この歌ははっきりとしています。それにMC挟まないほうが、流れが止まらなくてよかった。
 とまあMCについて不満を述べたものの、歌のほうはやはりこのライヴで一番でした。なんとなく昔の別れを思い出して涙を流してしまった。“この世界のどこかであなたは暮らしている 私のこともたまに思い出すのかな”というフレーズが堪らなかった。もうね、涙を隠しつつ歌も聴きつつで大変でした(笑)

『ダリア』が超絶によかったせいか、十一曲目の『サクラ色』は失礼ながら陳腐に感じてしまいました。決して嫌いな曲ではないのですが(笑) むしろ好きです。

 静かな流れから一転、十二曲目はちょっとテンポの速い『ファイター』。決してPerfumeではない(笑)沖山さんのヴォコーダーを交えたこの曲はなんとも印象的でした。

 十三曲目は会場総立ちの『ANSWER』。ご当地ANSWERは“錦帯橋+秋吉台÷2=山口”でした! ふぐとか出てこなくてちょっと安心した。ふぐは、山口は山口でも下関のほうですからね(遠すぎて地元民でも名物という実感がない)

 山口の盛り上がりは半端なく、ご当地ANSWERもそうだったけど、十四曲目の『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』の合唱も、後ろから上から大きな声が聴こえました。もちろん俺も大きな声で(ここでも音痴披露してすいません)歌いました。

 ここでいったん三人は退却。『たしかに』の“ラララ”を歌いながら再登場を待ちます。

 アンコールは、例のとおり(笑)販売しているグッズを持っての登場。正直どれも買う気の起きないものばかりでしたが、ソングブックだけちょっと気になりました(公演終わってからダッシュで買いに行きました)。でも3000円ってのはやっぱ高い気がします。相場はそんなものなのかもしれませんけど。

 村石さんと沖山さんも再登場し、アンコール最初は俺の大嫌いな“勝手に懐メロコーナー”。なぜ大嫌いなのかというと、俺はアンジーと世代がかなり離れているため、このコーナーで演奏される曲は毎度知らないものばかりなんです。だから少し置いてきぼり状態になってしまう。
 俺のそんな寂しい気持ちなど知るわけもなく(笑)、槇原さんの『どんなときも』が大合唱される。手拍子だけの参加でホント寂しいばかりです。早くこのコーナーなくならないかな(笑)

 そしていよいよラスト。十六曲目はいわずと知れた(?)彼女の代表曲『This Love』。
「この曲を通じて私のことを知った人ってたくさんいると思う」とアンジーは語っていたけど、彼女を世に知らしめるきっかけとなったのは、やはり『Kiss Me Good-Bye』だと思います。『This Love』ももちろん好きなのですが、俺の一番好きな歌ということもあって最後は『Kiss Me Good-Bye』で飾ってほしかったなあ、と。
 しかしながら、3ピースで演奏された『This Love』はとても素晴らしく、俺の勝手な願望も吹き飛んでしまうくらい心に沁みました。

 深々と頭を下げたアンジーが退場すると同時に、『ANSWER』のCD音源が会場に流れ出しました。皆さん熱が収まらないようで、音源に合わせて一番のサビまで合唱しました。いい思い出になった(笑)


 総評。
 今回のライヴは、これまでに参加した中で(と言っても大した回数ではありませんが)間違いなく一番よかったと思います。そう思えた要因の一つはやはり二番カットが大幅に減少したことでしょうか。これによって彼女が伝えたいメッセージが聴き手しっかりと伝わり、全体的に引き締まったライヴとなったような気がします。
 もう一つは遠慮のいらない盛り上がりですかね。後ろ振り返ると、二階席の後ろのほうまで総立ちでした。これにはアンジー本人も演奏しやすかったんじゃないかと思います。俺も歌いやすかったし!
“勝手に英語でしゃべらないと”についてはホント微妙な気持ちです。今回はわかる曲だったから盛り上がれたものの、やはり知らない曲が出てくると懐メロ同様置いてきぼり感を抱いてしまうと思います。それに脱線していろんなネタ披露する時間を他の曲に回したり、微妙に短縮された曲(Again、レクイエム)をフルで歌ってくれたりしたほうがよりいいライヴになるのではないでしょうか? 懐メロは間違いなくいらないですね(笑)
 そして今回のライヴで一番感じたのは、彼女にはやはり村石さんと沖山さんがいたほうがいいということ(もちろん西川さんも)。弾き語りというスタイルを確立しているアンジーですが、全曲弾き語りで聴いたとき、それとなく物足りなさを感じてしまいます。それが村石さんと沖山さんが入ることによって、曲が色鮮やかに感じられました。
 次のライヴは八月の東京国際フォーラムになりますが、セトリや演出がどのように変わっていくか今からすごく楽しみです。



OP. Black Glasses
01. たしかに
02.Knockin' On Heaven's Door
03.Final Destination
04.HOME
05.Hey Jude(THE BEATLESのカヴァー)
06.Again(二番カット)
07.黄昏
08.レクイエム(一部カット)

――ピアノ弾き語り――

09.Rain
10.ダリア
11.サクラ色
―――――――――――


12.ファイター
13.ANSWER
14.手紙〜拝啓 十五の君へ〜(合唱)

Encore
15.どんなときも(槇原敬之のカヴァー)
16.This Love