2011.10.10 名古屋ダイアモンドホール



2008年に行われたファンクラブツアーは仕事の都合でどうしても参加することができなかった。
そのため、ファンクラブツアーに参加するのは今回の「My Home Festival 2011」初めてのこととなる。

2008年のファンクラブツアーがかなり評判のいいものだったので、
今回のツアーへの期待はかなり高まっていた。
しかし、始まってみると期待していたのとは少しばかり違うもので、
だからと言って決して駄目なライブだったわけではない。
良いか悪いかで表すなら、かなり良かったと言っておこう。
特に選曲は納得のいく曲目ばかりで、このライブが告知されたときの「レア曲多め」というのは本当だった。


今回は“初めてのファンクラブツアー参加”というだけでなく、
他にも“初めてのライブハウス”“初めての立ち見”と、初めて体験することが多かった。

ライブハウスはいつものホールや武道館とは違い、後ろのほうでもステージがずいぶんと近い。
一番前の人なんかステージに手届きそうだった。

ステージに用意されていたのはピアノとキーボードのみ。
バンドでのライブだとばかり思っていたのが、どうやらピアノ弾き語りライブらしい。
LIFEツアー、武道館ともにバンドの演奏が素晴らしかっただけに少し残念。

場内が暗転し、いよいよ名古屋公演の始まりとなる。
いつになく普通にアンジー登場。妊娠五ヶ月ということもあり、お腹が膨らんできているようだ。

今日は1曲目から意表を突かれる。
静かなピアノの伴奏から始まったのは、『TODAY(SMASHING PUMPKINSのカヴァー)』だった。
この曲は確か昨年末の大阪城ホールでの公演で歌われたと思うので、
レア感は少しばかり薄いものだったが、1曲目にこの目立たない曲を持ってくるあたり、
ライブそのもののレア感は期待できるだろう。

ここで最初のMC。
挨拶をすると同時に観客からは「おめでとう」の声が上がる。
しかし妊娠についてはまだ触れず、「ありがとう」の言葉を返して次の話題に切り替えた。
このレポートを読んでくださっている方には申し訳ないが、
MCに関してはあまり覚えていないので、覚えてる範囲で書いていく。
しかも今回立ち見だったということもあり、メモをとることができなかった。
途中抜けてたり、そのMCが入っていた箇所が間違ってたりするかもしれないが、
それはご了承願いたい。

2曲目は六月にシングルとして発売された『始まりのバラード』。
イントロのピアノの伴奏が切なくていい。
CD収録版のほうがピアノからの入りじゃないのが実に悔やまれる。

次はステージの端に置いてあったキーボードに移動する。
そのキーボードにはパソコンが置かれていて、アンジーが普段曲をつくっている
セットを再現しているのだという。
アンジーの曲作りの工程は、まず歌詞とメロディーをつくることから始まる。
大体は歌詞とメロディー同時に湧いてくるのだそうだが、曲によっては別々にできていくこともあるらしい。
そうして曲ができ、ピアノの伴奏とアンジーの歌を録ると、今度は編曲作業に取り掛かる。
ギターやドラム、ベースなどの音はキーボードでつくってパソコンに録音しておくのだそうだ。
それを今度はスタジオに持ち込み、演奏者の方にこんな感じでやってほしい、という旨を伝える。
そんな感じで本格的な収録に入り、一つの曲が出来上がるのだそうだ。

3曲目はパソコンに入っているバンドの音源を使って『Bop Bop Bop(Colors of Your Soul)』が演奏された。
今回のライブで手拍子がつくようなアップテンポな曲はこの曲くらいのものだった。

MCを挟んで4曲目は『I Have a Dream』。
普段あまり正面を向いて歌う機会がないということで、この曲は3曲目に続いてキーボードで演奏される。

5曲目は赦されぬ愛とわかっていながらも、恐ろしいほど純粋な恋心を歌った『愛のうた』。
このライブで最も光っていたのは間違いなくこの曲だろう。
ピアノのアレンジもさることながら、アンジーの歌のほうも気合いが入っていて、
実に素晴らしい演奏だったと思う。

ここでMC。
アンジーはある日、メガネもはずして髪も縛ってすっぴんでヨガ教室にこっそり行ったのだが、
そこの講師はアンジーの正体に気づいたらしい。
しかもアンジーのファンだったらしく、あの曲が好き、この曲がいい、と曲の話に花を咲かせた。
講師はちょっとマニアックな方で、アルバムTODAYの中では“友のしるし”、Homeの中では“大袈裟に愛してる”が一番好きだったそうだ。
“大袈裟に愛してる”は俺もかなり好きな曲の一つだが、“友のしるし”が好きな人って本当に珍しいと思う。

そんなわけで6曲目は『友のしるし』である。
“大袈裟に愛してる”のほうが断然好きだが、そっちは昨年のLIFEツアーで歌われたし、
過去のライブでも結構演奏されているので、レア感を大事にするなら妥当な選曲だろう。
どうせなら2曲とも歌えばよかったのに(笑

7曲目はギター弾き語りによる『フリオ』だった。
歌の前に『フリオ』に関するエピソード。
この曲を聴いた人の多くが“フリオ”とはいったい誰なのかと疑問に思っていることだろう。
アンジーいわく、この名前は別に“ケンジ”とかでもよかったらしい。
(そこで“ケンジケンジケンジ〜♪”と歌うアンジー・笑)
しかしそれではあまりにも身近すぎ、物語として書きだしにくいということで、身近にいない“フリオ”という名前にしたという。

8曲目はユニクロのCMで話題の『津軽海峡・冬景色』。
話題になっているということで選曲されたのだろうが、個人的にはライブそのもののレア感が薄れたような印象を受けた。
それに武道館ライブで河野さんとの連弾で披露することが決まっているのであれば、
こちらのライブでは別に演奏する必要はなかっただろう。
と言ったように、少しばかり不満を感じる一曲だった。

ここでゲームコーナーと言う名のアンジー休憩(笑
休憩のアンジーに代わって、司会進行はマネージャーK氏が行う。
ゲームの内容は単純な○×クイズで、出題された問題に入場の際に配布された○×の団扇(?)を使って答えていく。
正解した人だけが次の問題の解答権を得ることができ、最終的に残った数名に豪華景品が渡されるそうだ。

問題の内容は覚えている範囲で書いていきます。

・アルバム『WHITE』の2曲目は『津軽海峡・冬景色』である。
・今日のライブの4曲目は『I Have a Dream』である。
・ピアノの鍵盤の数は○個である。
・アンジーがピアノを始めたのは1歳からである。
・ピアノの重さは250kg以下と定められている。
・アンジーは生まれ変わったらまた女になりたい。
・アンジーはひつまぶしよりも天むすのほうが好き。

景品は直筆サイン入りポスターだそうだ。

ゲームは○×クイズだけに留まらず、続いては敗者復活戦としてジャンケン大会が行われた。
アンジーに負けたらもちろんのこと、あいこも負けと見なされる。
景品は特製Tシャツらしい。

最後は超豪華景品を賭けてのゲームである。
景品はなんと、アンジーの楽屋に招待券!
選定方法は、座席番号の記された紙が入ったクジをアンジーが引くというもの。
たまたま俺の近くにいた女性が当選し、かなり興奮していたのが印象に残っている(笑

ゲームコーナーは終了し、9曲目に移る。
9曲目は“This Love”のカップリング『自由の足跡』だった。
この曲は、祖父が亡くなった日に見たアンジー母の夢を元につくったという。
その夢というのが、母親を含む家族たちに見送られ、亡くなった祖父が電車に乗って旅立っていくという、別れの場面だったそうだ。
その夢の話が歌詞にかなりインスパイアされている。

続いて10曲目は『This Love』だ。
LIFEツアー、HOME SWEET HOMEでのバンド演奏があまりに素晴らしかっただけに、
今夜の『This Love』はどこか物足りなさを感じてしまった。

本編最後を飾るのは『ハレルヤ』だ。
初めての武道館公演のときと同じ静かな入りが印象的だった。

ここでアンジーは一時退場し、盛大な拍手に包まれながらの再登場となる。

アンコールは昨年のファン投票で首位に輝いた『サクラ色』だった。
歓声と拍手はどの曲よりも大きく、いかにファンに愛されているか伝わってきた。
俺個人のアンジーソングランキングでは6位という位置にあるが、首位に輝いたのも納得のいい曲である。
締めの曲としても妥当な一曲だっただろう。
これからもファンに愛され続ける曲であってほしい。


■総評

全体の曲数と構成からして物足りなさを感じる人もきっと多かっただろう。
しかしアンジーの身体のことを考えると仕方ない構成だったと思う。
(これで妊娠してなくて同じ構成を組んできたらボロクソ叩いてました)
選曲の面は期待通りの曲目。もちろん他にも聴きたい曲は多々あったが、
レア曲多めは決して嘘ではなかったので満足している。
ただ一点、上記にもあるように『津軽海峡・冬景色』はまったく必要性を感じなかった。
というか、武道館でやること決まってるのに今回やっちゃったら楽しみが薄れるよね。

それと『手紙』のないライブはずいぶんと久しぶりのことである。
発売当初はまだしも、いまとなってはライブの完成度を著しく下げているようにしか思えないので、
今回セトリに組み込まれてなくて安心した。やっぱりないほうが締まります(笑)


■セットリスト

01. TODAY(SMASHING PUMPKINSのカヴァー)
02. 始まりのバラード
03. Bop Bop Bop
04. I Have a Dream
05. 愛のうた
06. 友のしるし
07. フリオ
08. 津軽海峡・冬景色

●ゲームコーナー
・○×クイズ(景品:直筆サイン入りポスター)
・ジャンケン大会(景品:特製Tシャツ)
・アンジーがくじにより観客一人を選定(景品:アンジーの楽屋に招待)

09. 自由の足跡
10. This Love
11. ハレルヤ

●アンコール
12. サクラ色