2011.12.26 日本武道館



毎年恒例となった武道館ライブも今年で6回目となったアンジー。
今夜のライブはアンジー本人と彼女の鍵盤の師匠である河野伸、そしてお腹の中の子どもの3人でのライブとなった。

“POWER OF MUSIC”というタイトルの付けられた今回のライブは、
アンジー自身の曲だけでなく、洋楽・邦楽ジャンルを問わずリクエストを募集し、
それを参考に構成されたものだ。

最初に言っておきます。
今回のライブはこれまでのライブの中で2番目に不満の残るライブでした。
まあ、もともとそれほど期待してなかったのでがっかり感は大きくなかったです
(むしろ思っていたよりはいいライブだった)


武道館ライブにしては割と時間どおりに場内が暗転し、いよいよライブが始まる。
まずは今夜アンジーとともに演奏する河野さんが登場し、ピアノの伴奏を奏でる。
そしてアンジーが登場。10月のファンクラブツアーのときよりも格段にお腹が大きくなっていた。

1曲目は『AMAZING GRACE』をスタンディングで歌う(河野さんがピアノ伴奏)。
歌唱力が試される曲であるが、この日のアンジーは出だしから絶好調だった。

続いて2曲目は『I Have a Dream』。
河野さんがエレクトリック・ピアノで奏でるストリングスの音が実に美しい。
しかし最後の“声に出して 思い出して 名前を呼んで”の繰り返しは、
やはりバンドがいないと陳腐に感じられてしまう。

ここで最初のMC。
出産が近いこととライブの簡単な説明以外は特にこれといったことは言ってなかったような気がする。

3曲目は最も多くのリクエストを集めた、レディ・ガガの『Born This Way』。
この曲はとにかく歌詞が素晴らしい。世界的に売れたのも、リクエストが最も多かったのも納得である。
ただ、やはりピアノだけでこの曲を演奏するのは無理があったらしく、
ところどころ収録音源が使われていた。

4曲目はWHITEに収録されている『My Grandfather's Clock』。

続いてはまったく知らない洋楽が歌われる。
途中で「この曲知ってる人〜?」とアンジーが言い出したので、なるほどあのコーナーが返ってきたかと少しげんなりした。
そう、“勝手に英語でしゃべらナイト”だ。
ただでさえ必要性を感じてない(というかマンネリ)コーナーだというのに、
選曲もAbbaの『Dancing Queen』と、知らない曲だったので更にげんなりといったところだ。
催してたら普通にトイレ休憩してたよ(笑)
もちろんコーナーは脱線し、AKB48の『ヘビーローテーション』や芦田愛菜ちゃんと福くんの
『マル・マル・モリ・モリ』、そしてクイーン繋がりでQueenの『Bohemian Rhapsody』が少し歌われた。

しゃべらナイトの後はその盛り上がりを引き継いで『たしかに』。
今夜のライブで最も必要性を感じなかったのはこの曲である。
間奏での、アンジーと河野さんの連弾は素晴らしかったが、それ昨年の『MUSIC』でやったし、
この曲はやはり沖山さんのベースと西川さんのギターが肝になっていると思うので、がっかりしてしまった。

7曲目は邦楽の中で最も票の多かった、今井美樹の『PEACE OF MY WISH』だった。
今回のライブで最も心に来たのはこの曲かもしれない。

続いては『HONESTY』。
どうせなら再録の日本語バージョンで歌ってほしかった。

9曲目はピアノのみによる演奏。
曲名は『My favorite things』というらしい。
河野さんのピアノテクニックが光る曲だったが、正直なくても困らなかった(笑)

ここでMC。
1月からNHKで始まるアンジーが司会の番組について少し触れる。
そして10曲目、11曲目は1月発売のアルバムにも収録される、新曲2曲が演奏された。

まずはマドンナの『Material Girl』から。
アンジーにはあまり合わない、ちょっぴりわがままな乙女の歌である。
バラードが多い新アルバムの中ではいいアクセントになるだろう。

続いてはシンディー・ローバーの『True colors』。
素の自分を出すことを恐れず、ありのままの姿でいてほしいと歌った曲だ。
う〜ん……歌詞がちゃんと聴き取れなかったせいか、イマイチ心に響かない。

12曲目は河野さんが作曲したオリジナルソング。
河野さんのピアノ演奏に合わせて、始まりのバラードのPVに出演した“ユニット・キミホ”の方たちがダンスを披露してくれる。

ここでMC。
もうすぐ年越しということで、紅白歌合戦にまつわるエピソードが紹介される。
木村カエラが初めて紅白に出場した年、本番直前にアンジーはカエラと話をしていたそうだ。
そこに演歌の大御所たちが近づいてきて、二人に何人のハーフか訊ねてきたそうだ。
アンジーはアメリカ人とのハーフ、カエラはイギリス人のハーフであることを聞いた大御所たちは、
「紅白の控え室が国連になっちゃったわ!」と盛り上がったらしい。

そんな話を挟んで、『津軽海峡・冬景色』が歌われる。
一般のライブでは初披露だが、俺はついこの間ファンクラブツアーで聴いたし、
しかもあまり好きな曲ではないのでどうでもよかった(笑)

続いては『始まりのバラード』。
先程ダンスを披露してくれたユニット・キミホの方たちが再びステージに登場し、
PVとは少し違った感じのダンスを曲に乗せて踊る。

ラスト2曲はいつもどおりアップテンポな曲で駆け抜ける。

まずはJOURNEYの『Don't Stop Believing』。
知らない曲だったので最初は聞き流していたのだが、
アンジーがキーボードで再現したギターのソロがカッコよかったのでそこからノリノリに。

本編ラストは懐かしの『Power Of Music 』だ。
1stアルバムに収録されている“MUSIC”の劣化バージョン(爆)とも言われている曲だが、
ここ数年聴いてなかったのでとても新鮮な感じがした。

ここでアンジーは一旦退場し、お着替えして再登場。
いつもより登場するまでの時間が長いと思っていたら、お腹が大きいために着替えに苦労していたらしい。

お馴染みのグッズ紹介の後、最初に演奏されたのは『One Family』だった。
WHITEの中でも1、2を争うほどのいい曲であり、この選曲は実に嬉しい。
ただ一部歌詞を間違えちゃったのが残念だったが。

これでライブは終わりかと思いきや、最後の最後でもう1曲演奏してくれるという。
てっきり人気NO.1の“サクラ色”かと思ったが、今夜の締めくくりは『This Love』だった。
個人的にはそっちのほうが好きなので嬉しい選曲。
しかし、昨年のバンドバージョンによる演奏があまりにも素晴らしすぎたために物足りなさを感じざるを得なかった。


あっさり目だが、以上が“POWER OF MUSIC”の感想である。
冒頭にも書いたように、今回のライブはこれまでのライブの中でも2番目に不満を感じるライブだった。
(ちなみに1番は2008年の大阪城のライブ)
その要因となったのは洋楽とカヴァーが多かったことだろう。
まあ、それは企画上仕方がないことだし、最初からあまり期待してなかったので損をしたなどとは思っていない。
(むしろ今回は東京旅行のついでにライブという気持ちでした)

あと、『特にこれがよかった!』という曲が一つもなかったのが残念だ。
大阪城2008年を除く過去のライブでは必ず1曲はそう思える曲があったし、
昨年の武道館ライブに至ってはほとんどの曲に対してそう思えたので、不満は募るばかりである。

それと実現するかは不明だが、アンジー本人によると来年末辺りに全国ツアーをやるらしい。
そちらには期待したいのだが、『WHITE』が微妙だったことと、1月の新アルバムがあまり期待できないことから、少し複雑な気持ちである。



■セットリスト

01. AMAZING GRACE
02. I Have a Dream
03. Born This Way(レディ・ガガ)
04. My Grandfather's Clock

05. 勝手に英語でしゃべらナイト〜Dancing Queen(Abba)
(「ヘビーローテーション」「マル・マル・モリ・モリ!」「Bohemian Rhapsody / Queen」)

06. たしかに
07. PEACE OF MY WISH(今井美樹)
08. Honesty
09. My favorite things(ピアノ演奏)
10. Material girl
11. True colors
12. 河野さんのオリジナルソング(ピアノ演奏+ダンサー)
13. 津軽海峡・冬景色
14. 始まりのバラード
15. Don't Stop Believing(JOURNEY)
16. Power Of Music

アンコール
17. One Family
18. This Love