11th『始まりのバラード』

・発売日 2011/6/8
・売り上げ枚数
 初動  9,647枚
 累計 13,173枚〜


【収録曲】


01. 始まりのバラード ★★★★★

  話題のドラマ『名前をなくした女神』の主題歌である。ドラマのドロドロとした内容とは異なり、希望を感じさせる前向きなバラードだ。
 シングルタイトルチューンでは『孤独のカケラ』以来久々の良質な曲が出たのではないだろうか? 『サクラ色』や『This Love』などにはあと一歩及ばないところがあるものの、どんなに暗い状況=夜(冬)にも必ず希望=朝(春)は来るというサビは非常に心に響いた。
 希望のバラードという点は『愛の季節』にも通じるところがあるが、如何せんあちらはサビがまるで駄目だったので評価は低い。

02. I Have A Dream ★★★★★

  ワシントンナショナルギャラリー点のテーマソング。
“夢”を自分に寄り添う人のようにたとえ、何度も迷ったり、なくしかけたりしながらも、名前を呼んでちゃんと自分の元に呼び戻す。様々な葛藤がありながらも、決して夢を手放さずに生きてきたアンジェラの生き様を描いたような曲である。そしてワシントンはアンジェラが夢とともに生きた場所であり、彼女にこの美術展のオファーが来たのはそれを理由にしたところが大きかったのだろう。
 この曲ではアンジェラ本人がドラムを叩いているが、これは夢に向かって生きていたワシントン時代のまだ発展途上だった自分を表現するための演出だったのではないだろうか? 西川さんのベースも過去になかったと思うし、編曲面ではなんだか新鮮な印象を受けた。

03. CREEP ★★★★☆

 レディオヘッドのカヴァーであり、壮絶なストーカーソング。
 今回は珍しくCD発売前に原曲を聴いたのだが、アンジェラのほうがよりストーカーっぽい(笑) 特に前奏前の吐息が電柱に身を隠すストーカーを彷彿とさせる。
 歌詞の語呂が悪いのがいただけないな。あと、これは『Without You』にも感じたのだが、日本語詞が少ない印象を受けた。過去のカヴァー曲『We’re All Alone』や『It's So Hard To Good-Bye To Yesterday』は一部のサビだけが原曲の英語詞だった。それを考えるとやっぱり少ないかな〜。まあ、今回は曲が曲だし、“私は忍び寄る〜♪”なんて歌われても困ったが(笑)


■総評

 ここのところタイトルチューンが足を引っ張っていることが多かったが、今回はメイン・カップリングともに良質なものばかりで、CDの出来映えは素晴らしかったと思う。
 売り上げのほうは、順位はかなり落としているものの、枚数は『愛の季節』より少し上で『輝く人』よりも少し下。美術展会場で発売された特別仕様のものを含めればもう少しいくだろう。ただ、タイアップを考えるとこの売り上げ枚数は大爆死と言っても過言ではない。
 次はシングルかはたまたアルバムになるかわからないが、今回の完成度からしてアンジェラにはまだまだ期待できそうだ。秋に始まるFCツアーも楽しみにしている。